『増補改訂版 無意識の植民地主義―日本人の米軍基地と沖縄人』

『増補改訂版 無意識の植民地主義―日本人の米軍基地と沖縄人』

野村浩也著、松籟社、2019年

書評1:

 野村浩也さんの『無意識の植民地主義』を手に取ったのは、私が初めて友人に連れられて辺野古を訪れた2007年の冬だった。海の座り込みを一日体験し、その後沖縄戦の戦跡をめぐっていると、重たいふかいモヤモヤに飲み込まれ、猛烈に自分の無知を意識した。そのような時に、この本を読んだ。何も考えていない日本人マジョリティの典型だった私に、するどい言葉がつきささってきた。「植民地主義の原因は、日本人にこそある」。この本は、一度読んだら忘れられない明晰さと深さで問題をえぐり取っていた。受け入れざるを得なかった。終わらない植民地主義。そして、それを支えていたのは、沖縄に基地を押しつけながら、そのことを意識すらしていない、私のような日本人だった。

 その後、ずいぶんと時間がかかったが、私は仲間とともに、2016年2月に新潟で基地引き取りの会を立ち上げた。この本には、日本人が認めたくない「真実」が書かれており、それが日本人の暗闇とその蘇生への道を灯台のように照らしてくれている。(福本圭介@新潟)

書評2:

 1990年代半ばから沖縄で着実に培われた「(米軍基地を「本土」に引き取れという)県外移設要求に、初めて本格的な思想表現を与えた」(高橋哲哉氏)と評される書の待望の復刻版。

 ページを繰る手が何度も止まってしまうほど「本土」に生きる日本人にとっては重く苦しい内容となっている。その理由を知るためにも、ぜひ実物を手に取っていただきたい。

 著者の野村浩也氏自らが言うように、本書は「日本人という植民者についての植民地主義研究」。沖縄人である著者の視点から、共犯化、権力的沈黙、愚鈍への逃避、沖縄病患者=沖縄ストーカー、観光テロリズムなどの概念をつぎつぎに繰り出しながら、沖縄に寄りかかりつつ平和と安全を都合よく享受する日本人の「無意識の植民地主義」を執拗に、論理的にあぶり出していく。

 日本人がそれを止めるにはどうすればいいのか? その答えは、本書で明確に示されている。(里村和歌子@福岡):『沖縄の米軍基地を「本土」で引き取る!』(コモンズ、2019年)より転載