【政党アンケート:日本共産党、日本維新の会】
今回の第50回衆議院選挙にあたり、大阪のメンバーが「沖縄の基地負担解消を考える会(仮)」として、日本における米軍基地、および自衛隊基地、とりわけ沖縄における基地の偏在がもたらすさまざまな影響、問題についての公開質問状を各政党に送りました。
現時点(2024年10月21日)まで、日本共産党と日本維新の会から回答がありましたのでここに公開します。有権者のさん、この回答についてどう考えますか? その他の政党のみなさん、回答をお待ちしています。
なお、両党とも回答ファイルが画像転換できなかったため、本文テキストをコピペし、該当する選択肢とコメントをボールドにしてあります:本HP編集者より
日本共産党の回答
基地問題についての公開質問状(沖縄の基地負担解消を考える会) (確定)
1、沖縄県名護市辺野古の基地建設についてどのようにお考えですか。
➀進めるべき
②進めるべきではない
③その他
沖縄県民はこの間、知事選挙や県民投票で辺野古新基地建設反対の民意を明確に示してきました。この県民の思いを蹂躙することなど絶対に許されません。政府は「辺野古移設が唯一の解決策」といいますが、大ウソです。新基地建設は、軟弱地盤の改良工事が技術的におよそ不可能であること、費用が〝青天井〟となること、サンゴなど貴重な自然を破壊することなど、どこからどう見ても道理もなければ展望もありません。しかも辺野古に固執すればするほど、「世界一危険」な普天間基地を固定化することになってしまいます。新基地建設中止、普天間基地の即時閉鎖・撤去こそが唯一の解決策です。
2、米軍那覇軍港の浦添西海岸への移設についてどのようにお考えですか。
➀進めるべき
②進めるべきでない
③その他
那覇軍港は無条件返還こそが、県民の願いであり、原則です。県内移設・たらい回しには断固反対します。
3、米軍返還地における環境汚染の除去や廃棄物処理は、誰が行うべきだと考えますか。
➀米軍が行うべき
②日本政府が行うべき
③その他
嘉手納基地や普天間基地からの環境汚染物資の垂れ流しは、住民の健康と命にかかわる重大問題です。米軍当局は、基地内の汚染の実態調査と対策を直ちに実施し、再発防止と住民被害への補償を責任をもって行うべきです。日本政府は、米軍当局の対応待ちにならず、直ちに米軍基地内への立ち入り調査の実施を求めるべきです。さらに、米国本国では行われているように、基地内のPFAS対策とともに、地下水、土壌汚染が広がる周辺地域の汚染についても、PFASが検出された場合の対策と補償がされるよう求めるべきです。
4、日米地位協定の改定についてどのようにお考えですか。
➀改定すべき
②改定すべきでない
③その他
沖縄で昨年12月、米兵による16歳未満の少女に対する性暴力事件が発生しましたが、こともあろうに日本政府がそれを半年も隠蔽し、県に通報しなかったことが大問題となりました。米軍のやりたい放題は沖縄だけではありません。米兵犯罪に加え、日本の国内法が適用されないため、異常な低空飛行訓練など訓練・演習の規制ができない、米軍基地への立ち入り権がない、航空機事故のさいの捜査権を行使できないなど、米国の他の同盟国と比べても異常な事態が全国でつづいています。この根本には植民地的特権を保障した日米地位協定があり、その抜本改定は一刻の猶予もありません。
5、沖縄に米軍基地が集中している要因はどこにあると思いますか。
➀軍事、地理的要因
②軍事、地理的要因ではなく、沖縄以外の都道府県で受け入れようとする所がないから
③アメリカの意向によるもの
④その他
歴史的には米国の軍軍事占領・支配の下で、一方的な基地の拡大と強化が図られてきた経緯があります。日本全土で基地反対の声と運動が広がるなか、離島の沖縄に基地を集中させ、全国の反基地感情を抑え込む狙いもありました。
とりわけ、米国の戦略にとって決定的だったのは、日本、とくに沖縄の基地が持つ役割でした。米海兵隊が、沖縄の第3海兵遠征軍司令部にインド太平洋地域での作戦を担わせてきたことに象徴されるように、米国の支配戦略にとって不可欠の役割を担わせ、最近では、 台湾への出撃拠点としての役割を持たせようとしています。日本政府がこれらを無条件で受け入れ、自らも協力・推進の立場を取っていることが、米軍基地温存をもたらしています。
6,1沖縄に米軍専用施設の70%以上が集中し、さらに辺野古に新たな基地がつくられようとしていることについて、憲法14条(法の下の平等)に違反しているという指摘がありますが、どのようにお考えですか。
➀違反している
②違反していない
③その他
日本の国土面積のわずか0.6%の沖縄県に、米軍専用施設の70%以上が集中し、県民
に特別の負担を押し付けていることは、法の下の平等に反していると考えます。
6、2 6、1で【➀違反している】と答えた方へ
沖縄の現状が憲法14条に違反している場合、どのように是正すべきと考えますか。
辺野古新基地建設中止、普天間基地の即時閉鎖・撤去のために全力をあげることはもち
ろんですが、それと同時に、国民多数の合意を形成して日米安保条約を廃棄することを目
指します。同条約第10条にはそのための規定があります。安保条約を廃棄すれば、沖縄は
もちろん、日本にあるすべての米軍基地をまとめて撤去させることが可能になります。
7、沖縄の米軍基地の偏在を是正するために「沖縄の基地縮小法(仮名)」などの法整備が
必要であると考えますか。
➀必要である
②必要でない
③その他
新たに国内法をつくっても、米軍基地の偏在を是正することは不可能だと考えます。米
軍は、日本の航空法すら守らず、超低空飛行訓練を全国で行っているように、横暴極まる軍
隊です。辺野古新基地建設の中止については、世論・運動や選挙で日本政府の姿勢を変える
ことで可能だと考えますが、沖縄全体の基地のあり方を根本からただすには、安保条約を
廃棄することが必要です。
8、自衛隊の南西シフトについて、島嶼地域での戦力増強が緊張をエスカレートさせる懸
念、万が一の有事の際の住民避難の困難性などが指摘されていますが、南西シフトにつ
いてどのようにお考えですか。
自衛隊の南西シフトには強く反対します。これは日本を守るためではなく、米海兵隊の
対中軍事戦略である「遠征前進基地作戦」(EABO)に自衛隊を組み込み、日米一体で推
進するためのものです。政府は南西諸島に「敵基地攻撃」能力である長射程ミサイルの配備
を計画していますが、日米共同訓練の激化と合わせ、軍事対軍事のエスカレーションによ
る戦争の危険を高めるだけです。
9、沖縄県北部の米軍北部訓練場(ジャングル戦闘訓練センター)を使用した自衛隊の単独
訓練についてどのようにお考えですか。
➀妥当である
②妥当でない
③その他
日米地位協定には、米軍基地・施設を自衛隊が単独使用できるとの規定はありません。北
部訓練場の使用が許されれば、全国の米軍基地も自衛隊が使用できることになってしまい
ます。そもそも、なぜ「専守防衛」であるはずの自衛隊が、ジャングルでの戦闘を想定した
訓練を行う必要があるのか。ここにも、安保法制による日米一体の海外での戦争態勢づく
りの危険があらわれていると考えます。
10、2024年6月に成立した「地方自治法の一部を改正する法律」についてどのように
お考えですか。
➀改正に賛成
②改正に反対
③その他
最大の問題は、政府が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」が発生し、または「発生
するおそれがある」と判断すれば、国が地方自治体に指示できる「指示権」を新たに導入し
たことです。政府は、存立危機事態を含む「事態対処法」や、「安保3文書」にもとづく「特定利用空港・港湾」をめぐる指示権適用を排除していません。米国の戦争に自治体を動員することは許されません。
11、全国知事会からも再三提起されている、国などが審査請求などの手続きを通じて地方
公共団体が判断した処分を覆すことになる「裁定的関与」の見直しについてどのようにお考
えですか。
➀見直すべき
②見直すべきでない
③その他
辺野古新基地建設をめぐる政府の態度が象徴したように、「裁定的関与」は、政府の方針
通りに動かない自治体を強制的に従わせるための役割を果たしてきました。まさに国と地
方との関係を「主従の関係」に置く「裁定的関与」制度が、いまだに地方自治法に残されて
いることは重大です。地方自治を保障するため、見直し・廃止を求めます。
日本維新の会の回答
20 24 年 10 月19 日
基地問題についての公開質問状および回答書
1. 沖縄県名護市辺野古の基地建設についてどのようにお考えですか。
1 進めるべき
2 進めるべきではない
3 その他
回答の理由:
抑止力を維持しつつ、市街地に隣接する米軍普天間飛行場の危険性を除去するには、日米間で合意している辺野古への移設が最善の解決策と考える。沖縄県側の理解と協力を得る努力を続けつつ、遅滞 なく移設工事を進めるべきである。普天間飛行場を固定化させてはならない。
2. 米軍那覇軍港の浦添西海岸への移設についてどのようにお考えですか。
1 進めるべき
2 進めるべきではない
3 その他
回答の理由:
なおも米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対している沖縄県(玉城デニー知事)も、米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添西海岸への移設については容認している。開発効果が高い那覇軍港の全面返還による 基地負担軽減と沖縄県全体の産業振興・経済発展の観点から移設を進めるべきである。ただ、政府は移設 先の環境保全に万全を期すことが不可欠である。
3. 米軍返還地における環境汚染の除去や廃棄物処理は、誰が行うべきだと考えますか。
1 米軍が行うべき
2 日本政府が行うべき
3 その他
回答の理由:
日 米地位協定 4 条において、米国は、米軍施設・区域を本日に返還するにあたり、当該施設・区域原の状回復義務を負わないと定めている。米軍が安全保障上の目的で日本国内各地に設置するレーザーサイト等は米側の負担でなされており、日米間のいわゆる「バーター」の側面からも、米軍返還地における環境 汚染の除去や廃棄物処理は日本政府が行うことが理にかなっている。
4. 日米地位協定の改定についてどのようにお考えですか。
1 改定すべき
2 改定すべきでない
3 その他
回答の理由:
日米地位協定については、これまで問題が起きるたびに運用改善で対処されてきたが、それが限界に達しつつある。日米同盟を維持するためには、両国が対等の関係に立つことが不可欠であり、後を絶 たない在日の米軍人、米軍属等による犯罪行為に対しては日米地位協定を見直し、厳正な態度で臨む必要がある。
5. 沖縄に米軍基地が集中している要因はどこにあると思いますか。
1 軍事、地理的要因
2 軍事、地理的要因ではなく、沖縄以外の都道府県で受け入れようとする所がないから
3 アメリカの意向によるもの
4 その他
回答の理由:
日本ひいてはアジア太平洋地域を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増すなか、在日米軍のプレゼンスと即応性の維持は我が国および同地域の安全を確保するうえで極めて重要な要素である。わ けても沖縄は戦略的かつ地理的に対中国(いわゆる第一列島線)への抑止力の拠点であり、有事の際に機動的に対処するための要衝である。沖縄が日米の抑止力の拠点として機能しなければ、日本の平和、安全、主権の確保はおぼつかない。一方で、米軍の抑止力維持と沖縄の基地負担軽減の両 立が重要であることは言うまでもない。
6. 1
沖縄に米軍専用施設の70%以上が集中し、さらに辺野古に新たな基地がつくられよいうるとこしとてに
ついて、憲法14 条(法の下の平等)に違反しているという指摘がありますが、どのようにお考えですか
1 違反している
2 違反していない
3 その他
回答の理由:
「法の下の平等」を定めた憲法14 条の1 項について、最高裁判例は「国民に対し、法の下の平等を保障したものであり、同項後段の列挙事由(人種、信条、性別、社会的身分又は門地)は例示的なものであって、必ずしもそれに限るものではないと解するのが相当である」とする一方、 「この平等の要請は、事柄の性質に即応した合理的な根拠に基づくものでないかぎり、差別的な取扱いをすることを 禁止する趣旨と解すべき」としている。米軍施設の沖縄重点配備という国家の安全保障上必要不可欠な措置は「事柄の性質に即応した合理的な根拠に基づくもの」であるため「差別」にあたらず、憲法14 条に違反しているとは言い難いと考える 。
6. 2
6. 1で【①違反している】と答えた方へ
沖縄の現状が憲法14 条に違反している場合、どのように是正すべきと考えますか。
7. 沖縄の米軍基地の偏在を是正するために「沖縄の基地縮小法(仮名)」などの法整備が必要であると考え ますか。
1 必要である
2 必要でない
3 その他
回答の理由:
沖縄基地問題については、日米政府が真摯に対話を重ね、合意可能な新たな基地負担軽減プラン(訓練場所等の暫定的な移転も含む)を策定するとともに、地方自治体・地域住民との合意形成に必要な 手続き法の制定を検討するべきである。
8. 自衛隊の南西シフトについて、島嶼地域での戦力増強が緊張をエスカレートさせる懸念、万が一の有事の際の住民避難の困難性などが指摘されていますが、南西シフトについてどのようにお考えですか。
戦後の自衛隊発足当時、日本にとっての最大の脅威がソ連(ロシア)であったため、自衛隊は北海道や東北に 重点配備されていたが、冷戦後、ソ連(ロシア)極東軍の戦力が低下する一方、中国の軍事力増強と海洋進出が顕著になってきた。南西地域は全長約 120 0 キロメートルにも及ぶが20、16 年 3 月に沖縄県与那国島に駐屯地が開設されるまで、沖縄本島以外は自衛隊部隊の「空白地域」だった。その空白を埋めるために自衛隊部隊を九州・沖縄に重点配備する南西シフトを進めることは、抑止力を強め、国家、国民、主権を守り抜くために必要不可欠である。
9. 沖縄県北部の米軍北部訓練場(ジャングル戦闘訓練センター)を使用した自衛隊の単独訓練について どのようにお考えですか。
1 妥当である
2 妥当でない
3 その他
回答の理由:
防衛省によると、沖縄県北部の米軍訓練場(ジャングル戦闘訓練センター)では、これまで米軍、自衛隊による共同訓練が行われた実績はあるが、同施設を使用した自衛隊の単独訓練については現段階で具体的に計画さ れているわけではないという。今後、仮に自衛隊による単独訓練を行う場合には米側の同意が必要となるが、 日米両国が対処カ・抑止力強化のために自衛隊の単独訓練が不可欠と判断したならば排除されるものではないと考える。
10. 20 24 年 6 月に成立した「地方自治法の一部を改正する法律」についてどのようにお考えですか。
1 改正に賛成
2 改正に反対
3 その他
回答の理由:
地方自治法改正において同法に新たに規定された①DX の 進展を踏まえた対応②地域の多様な主体の連携及び協働の推進③国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における特例一の3 つは、いずれも地方自治の拡充や危機対応において必要不可欠なものだと判断している。③がない状況では、既存の法律に権限が明示さ れず、国も自治体も手探りでの対策を強いられることも想定されていた。これらの事態を「法の支配」の下に押 しとどめる必要があるが、同法改正により、その場面における国と地方の権限の明確化につながるものと思料 する。
11. 全国知事会からも再三提起されている、国などが審査請求などの手続きを通じて地方公共団体が判断し た処分を覆すことにもなる「裁定的関与」の見直しについてどのようにお考えですか。
1 見直すべき
2 見直すべきでない
3 その他
回答の理由:
党内で今後具体的に議論する。
以上
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